2/9、ワイドスクランブルで宮内庁大膳課で働いていた天皇の料理番 谷部金次郎さんと皇室担当記者だった橋本大二郎さんのスペシャル対談があり、皇室の様々なレシピが紹介されました。
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天皇陛下料理番の和のレシピ
谷部金次郎さんは天皇陛下料理番の和のレシピという本を出版し、発売早々大きな注目を集め、先月末にはインターネット通販サイトアマゾンで和食レシピ部門第一位に輝いたんだそうです。[br num=”1″]
天皇家では、どんなお料理が食べられているのかというのは誰しもが気になることですから売れるのも当然ですね。
私も一度拝見してみたいと思います。
「天皇陛下料理番の和のレシピ」には著者の谷部さんが天皇の台所で学んだ料理の心、そして97もの和食のレシピが紹介されています。
更に宮中で働いていたからこそ語れる皇室と料理に関するさまざまな秘話も掲載されていて、このこぼれ話も本の人気の要因となっているようです。
天皇の料理番をつとめた谷部金次郎さん
1964年、谷部金次郎さんは17歳のときに、皇室の和食料理を作る宮内庁大膳課第一係に配属され26年間、昭和天皇の料理番を務めました。
戦争の時代を生き抜き質素な生活を経験された昭和天皇。
両陛下とも決して贅沢を言うことはなく献立について、要望を出されることもなかったんだそうです。[br num=”1″]
昭和天皇が崩御されるまで毎日の食事や儀式の料理を作り続けた谷部さんが天皇の料理番としてまず教わったのはレシピ以前の料理に対する心構えだったそうです。[br num=”1″]
まず大事なことは丁寧に心を込めて作ることで、その基本精神が料理の上達に自然とつながっていったといいます。[br num=”1″]
現在、谷部さんはその技術と心を伝えるため本の執筆やテレビ出演などを精力的に行う一方、一般の主婦の方などにも惜しみなくその技術と心を伝授しています。
だしのとり方
まずはこの後出てくるお料理にも使う出汁のとり方です。
谷部さんは出汁はベースになるものなのでここがいい加減だと料理自体もいい加減になってしまうと言っていました。おっしゃる通りですね。
- 材料
- 昆布 10cm
削りがつお 20g
水 1L
- 水に昆布を5分浸したら弱火で沸騰させて昆布を引き上げる。
- 削りがつおを入れて2~3分置き、キッチンペーパーなどでこせば完成。
昭和天皇は日頃どのようなものを召し上がっていたのか
今回ワイドスクランブルでは、谷部金次郎さんに50年前のある日の献立を再現してもらいました。
そぼろ入り樫焼き(オムレツ)レシピ
焼きあがった卵を2つの折りたたんだ状態が樫葉のようであることから樫焼きとなったんだそう。
- 材料
- 卵 2個
甘辛く味付けした鶏そぼろ 適量
バター 適量
【作り方】
- 卵を溶いて鶏そぼろを混ぜ合わせる。
- バターを引いたフライパンに流し入れ軽く全体をかき混ぜ、30秒ほど火を通す。
- フライパンの中で二つ折りにすれば完成!
ブリの幽庵焼き(ブリの照り焼き)レシピ
- 材料
- ブリ切り身
調味料(酒・醤油・みりん)
柚子 香りづけ程度
分量は紹介されませんでした。
【作り方】
- ブリの切り身を酒・醤油・みりん・柚子に30分ほど漬けておく。
- 魚焼きグリルにアルミホイルを敷き、焼く。
- 皿に盛り付け、もみじおろしを添えれば完成。
上で作り方を紹介した2品と丸麦入りご飯、赤だしの大根の味噌汁、普茶煮(カリフラワーとインゲンを醤油とみりんで煮た精進料理)、漬物の以上6点が昭和天皇が召し上がった ある日の献立だそう。
基本は一汁三菜で決して豪華ではない、一般家庭の食卓に並ぶような食事を召し上がっていたそうでカロリーは成人男性に必要な量(1800~22200kcal)より少し控えめ(1600~1800kcal)に設定されていたそうです。[br num=”1″]
歴代天皇の中で最長寿となった昭和天皇。この腹八分目がご長寿につながったのかもしれません。
宮中風茶碗蒸しレシピ
続いてはレシピが紹介されたのは、昭和天皇がお好きだったというウナギを使った茶碗蒸し。
こちらは、宮中の儀式の酒食料理としても出されていたひと品だそうです。
食べた石原さんは「まろやかでございます。鰻の脂の乗りが茶碗蒸しと合いますね。」と言っていました。
- 材料(2人分)
- 卵 2個
鰻の蒲焼き 1/3尾
だし 400cc
みりん 小さじ1
しょう油 大さじ1
塩 小さじ1/3
たけのこ 20g
銀杏 6個
ほうれん草(茹でておく) 少々
【作り方】
- だしと調味料を混ぜてひと煮立ちさせ、その後溶き卵を加えてこす。
- 鰻・たけのこ・銀杏を器に入れ、卵液を流し込む。
- キッチンペーパーなどをかけて蒸し器に入れ弱火で25分蒸す。
ラップをすると蒸気が中まで入らないためキッチンペーパーなどをかけ蒸し器に入れるのが宮中流
蒸すときは蒸し器のフタの間に竹串を差し込んで蒸気の逃げ口作るとすが入りにくくなる。
- 蒸しあがったら、ほうれん草を乗せて完成。
天皇の台所で学んだ一物全体食
谷部さんには26年間天皇の料理番をして学んだ食の哲学があるんだそう。
それが一物全体食。[br num=”1″]
一つのものを頭から尻尾まで全部食べつくすという考え方で、普通は丸ごと一匹の鯛は使わないし高いからと敬遠しがちですが実はそうではなく一匹丸ごと買うことによって頭から尻尾まで使えるので実はとっても高くない食材なんだとか。[br num=”1″]
ここで谷部さんが一物全体食の精神が表われた鯛料理を教えてくれました。
紹介してくれた下記2品以外にも鯛の骨で出汁を取って切り身を入れた鯛の潮汁、鯛の塩焼き(レモンと大根おろしをそえて)、鯛の柚子蒸し、鯛の竜田揚げと計6品を作っていました。これらのレシピも出版された本にすべて載っています。
鯛のかぶと蒸しレシピ
材料にレモン2枚というのが登場するのですが、これについてはレモン醤油に使うレモンのことを言っているのか添え物として使うのか言及がありませんでした。[br num=”1″]
使っている様子はなかったので、おそらくレモン醤油に使うレモンだとは思うのですが違ったらゴメンナサイ。
- 材料
- 鯛の頭 1尾分
塩 小さじ1
酒 大さじ2
レモン 2枚
昆布 10cm×2
白髪ねぎ 適量
【レモン醤油 醤油とレモン汁を合わせておく】
濃口醤油 大さじ2
レモンの絞り汁 大さじ1と1/3
【作り方】
- 塩をふり2時間置いた鯛の頭の下に昆布を敷いて酒を振りかける。
- 1を蒸し器(強火)で12分ほど蒸す。
- 蒸しあがったら皿に乗せ、白髪ねぎを飾りレモン醤油を食べる分にかけていただきます。
鯛のごま茶漬けレシピ
- 材料(2人分)
- 鯛の切り身 120g
ご飯 360g
白練りゴマ 大さじ2
しょうゆ 大さじ2
だし 大さじ1
三つ葉 適量
白いりごま 適量
煎茶 適量
【作り方】
- だし・しょうゆ・練りごまを混ぜタレを作る。
- タレに切り身を10分ほど漬け込む。
- 2をご飯の上に乗せ、白いりごま・刻んだ三つ葉をちらしたら熱い煎茶をかけて完成。
宮内庁大膳課の教え
最後に宮内庁大膳課の教えが紹介されたので掲載しておきます。
私たちの暮らしの中でも気に留めておくべき考え方だと思うので、参考にしたいと思います。
- 「一物全体食(いちぶつぜんたいしょく)」 余すところなくすべて使い切る
- 「身土不二(しんどふじ)」 その季節 その土地のものをいただく
- 「健康・長寿」 愛する人の健康を考え丁寧に心を込めて作る
- 三大原則 焦がすな・捨てるな・腐らせるな